「大衆酒場 梁山泊」
42歳の歳である。世間的に見れば見事な中年で寿命が80年とすれば、とうに半分を過ぎた年齢である。
このたび居酒屋を開業する事にした。かねてより数年まえから「いつかやろう」と思っていた。このイカれた時期に無謀極まりないことは解っている。だけど俺はやる事にした。「いつかやる」はやらない事が多い。だから俺は今やる事にした。
梁山泊とはかつて死んだ母親が営んでいた居酒屋の店名である。11年まえ現代医療の治療法の術を尽くし、まさに最期を迎えるべく母親は自宅療養を過ごしていた時だった。たまたま実家に帰っていた時に
『悪いけれど身体がしんど過ぎる、自宅で過ごしたいけど辛抱ならんから病院へ連れってくれんか』絞り出す様な声だった。そして『でも店の事が気がかりで、それだけが気がかりで、アタシが死んだらアンタがやってくれんか?』
『解った、落ち着いたら俺がなんとかするから』俺はとっさに嘘をついた。それから安心したかの様に母親は覚悟を決め身支度をし俺は病院へ送っていった。その後母親は二度と家に帰ってくる事は無かった。あの時の出口の無い哀しみと絶望感を今でも忘れる事は出来ない。それから数年後、浴びる様に酒を呑んでいた父親も死んでしまってから、実家の片付けをしていた時に暖簾が出てきた。『あぁ、そういや、店やるんやったな』その頃から俺は意識する様になった。
梁山泊とは小説「水滸伝」に出てくる場所で、当時母親が開業する時に「優れた人物たちが集まる場所」「有志の集合場所」という願いを込めて名付けられた店名である。決してパチプロ集団の事を指す意味では無い。
両親がかつて想いを込めた様に、そんな優秀なそして有望な人物達が集う場所になる事を俺は夢見ている。此処は大衆酒場。老若男女、白人黒人、障害者、LGBT、どんな宗教信仰者もすべてウェルカムだ。皆んなハッピーにやって欲しい。差別や迫害をしようものなら俺が許さない。世界平和でありたいと本気で思っている。そしていつかこの場所で、起業する人が出てきたり、ロックバンドが結成されたり、会社に留まって頑張る事を決意したり、はたまた結婚する人達が出てくる事を俺は夢見ている。
この度とあるきっかけで、あたかも運命に従う様に、そして導かれるかの様に開業する運びとなった。でも独りでは到底開業出来なかったな。オープンまでに数えきれないほどの沢山の方々に沢山沢山助けて頂きました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。これからしっかりと頑張ってゆきます。
10月13日(木)オープンします。宜しく引き立っておたのみ申しあげます🔥
〒515ー0037
三重県松阪市愛宕町1-18
TEL:090-6312-3609
梁山泊 店主 水谷晋平
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